
ファーストブックは、絵本を楽しむ土台
何歳からでも始められる絵本育児。
どんな年齢であっても、絵本の読み聞かせのスタートは“ファーストブック”(赤ちゃん絵本)をおすすめしています。
「小学生でも赤ちゃん絵本?」と思われるかもしれません。
しかし、絵本に馴染みの薄いお子様の場合、いきなり長い物語を読み聞かせても、登場人物に共感したり文脈を理解したりすることが難しい場合があります。
赤ちゃん絵本は短くてわかりやすい構成なので、絵本に慣れていないお子様でも集中しやすく、お家の方と一緒に絵を見て声を聞いて、簡単に絵本を楽しむ経験ができます。
その経験が、のちに物語を楽しむための「集中力」を育んでくれます。
つまり、赤ちゃん絵本が、絵本を楽しむ土台となります。
もちろん、車や動物、電車、食べ物など、お子様の興味関心が強いものがあれば、それに関連した絵本を読むのも良いと思います。
その場合でも、なるべく簡単な構成の絵本から選んであげてくださいね。
絵本講師が選ぶファーストブック7選
日本一売れている絵本、『いない いない ばあ』

📕松谷みよ子 あかちゃんの本
いない いない ばあ
松谷みよ子 / ぶん 瀬川康男 / え
童心社
ファーストブックといえば、『いない いない ばあ』。
1967年から半世紀以上愛され続けている絵本。
そして、日本でいちばん売れている絵本です。
赤ちゃん絵本がなかった時代に”赤ちゃんのための絵本を作ろう!”と思いを込めて作られた絵本です。
紹介するまでもないくらい、ファーストブックの代表ですね。
おやすみの前の1冊、『もう ねんね』

📕松谷みよ子 あかちゃんの本
もう ねんね
松谷みよ子 / ぶん 瀬川康男 / え
童心社
娘にも、お昼寝前や就寝前によく読みました。
いぬ、ねこ、めんどり、ひよこなど、自然と動物の名前にも親しめます。
動物たちの眠る様子も個性があって癒されます。
おやすみの前におすすめの1冊です。
親子でほっこり笑顔になれる、『いい おかお』

📕松谷みよ子 あかちゃんの本
いいおかお
松谷みよ子 / ぶん 瀬川康男 / え
童心社
こちらも瀬川康男さんが描く、かわいらしい動物たち。
そして「いいおかお」に癒され、読みながら親子で自然と「いいおかお」に。
最後には「おいしい」という言葉も出てくるので、離乳食が始まった時期の読み聞かせにもぴったりです。
親子のスキンシップに繋がる、『くっついた』

📕くっついた
三浦太郎 / 作
こぐま社
娘も大好きだったこちらの絵本。
金魚、ぞうやさるなどの動物たちが次々に「くっついた!」と触れ合う様子が描かれている、シンプルな繰り返し絵本です。
子どもは次の展開を予測し、その予測通りに物語が進むことで、安心感を覚えながら楽しむことができます。
最後には親子がくっつくページもあり、それを真似て、自然と親子のスキンシップへと繋げられるのも魅力。
読み聞かせの時間をよりあたたかいものにしてくれます。
子どもが思わず手を伸ばす、『くだもの』

📕くだもの
単山和子 / 作
福音館書店
おいしそうな「くだもの」が本物そっくりに描かれた絵本です。
「さあどうぞ」と差し出される果物に、子どもたちは思わず手を伸ばします。
視覚から食欲をそそる一冊です。
表情から気持ちを感じ取れる、『おつきさまこんばんは』

📕おつきさまこんばんは
林明子 / 作
福音館書店
こちらもおやすみ前によく読みました。
お月様の台詞は一言もないのに、表情からお月様の気持ちが想像できるんです。
素晴らしい絵本だなと思います。
「こんばんは」の挨拶も自然と身に付きますね。
遊びながら言葉を育む、『きんぎょがにげた』

📕きんぎょがにげた
五味太郎 / 作
福音館書店
「どこ?」「あった!」と、指をさしながらきんぎょを探す遊びができる、繰り返し絵本です。
日常生活で使うことばを、絵本読み聞かせを通して体験できます。
見つけた時の喜びをお家の方と共有でき、まさに絵本を楽しむ土台となる絵本です。
おわりに:ゆっくりで大丈夫。絵本を「好き」になる一歩から
「うちの子、もう大きいのに……」と、年齢相応の難しい本を読ませなければと焦る必要はありません。
絵本育児で大切なのは、内容の難しさではなく、「大好きなお父さん・お母さんと楽しい時間が過ごせる」という心地よい体験そのものです。
たとえ小学生でも、赤ちゃん絵本のリズムや美しい色彩に心が動かされる瞬間はたくさんあります。
まずは、一番シンプルな「楽しい」から始めてみませんか。
その「楽しい」の積み重ねが、いつか自分から新しい本を手に取ったり、物語の世界を深く楽しんだりするための、いちばん大切な「根っこ」になってくれるはずです。